訪問看護・リハビリステーション
訪問看護だからできること
実際に訪問看護サービスをご利用になられた患者様やご家族の皆様から「こんなこともできるの?」「もっと早く知っておけばよかった・・・。」などたくさんのお声をいただいております。
訪問看護サービスを利用することで、在宅療養に関する不安や心配が軽減され、病状の悪化を防ぐことができます。
【希望と現実】
内閣府調査(2012年度)では、最後を迎える場所に自宅などを希望した人は60%を超えています。しかしながら、厚労省研究班の調査(2014年)では、自宅や介護施設で亡くなる方の割合を示した「看取り率」は地域によってばらつきがあり、北九州市の「看取り率」は12.3% 市人口20万人以上のなかでワースト2位という状況です。
皆さまの希望と現実に大きな違いがあることが研究のなかで指摘されています。
「終活としての在宅医療」 著者 太田秀樹(P110)
「読売新聞2017/02/06記事」
訪問看護サービスについて
訪問看護サービスとは、看護師や理学療法士などが、ご自宅等を訪問し、療養生活を送っている方に看護サービス等を提供するものです。
ご本人やご家族の意思、ライフスタイルを尊重して、生活の質(QOL)が向上できるよう予防から看取りまでしっかりと支援します。
ご本人のみならず、ご家族の健康状態もチェックし、ひとりひとりの問題点や課題を早期に発見し、かかりつけ医と連携して病気の発症や重症化を防止します。
訪問看護サービスの内容
①健康管理と在宅看護
例えば、ご自宅で療養する方の肺炎や脱水などの症状を早期に発見し、医師の指示の範囲内で点滴静脈注射などの医療処置を行います。
腎疾患のため、ご自宅で腹膜透析をされている方には、指示に基づき、薬剤注入や廃液の管理をします。
在宅酸素療法を行う場合には、指示の範囲内で酸素量を増減し、効果を確認します。
その他、膀胱留置カテーテル・経管栄養・胃瘻・人工呼吸器・気管カニューレ・人工肛門などの管理や緊急時の対応も行います。
②緩和ケアと在宅看護
例えば、ご自宅で療養する末期がんの方に対しては、痛み(疼痛)を緩和させるため、医師や薬剤師の指示の範囲内で、オピオイド(モルヒネ等)の薬剤管理を行い、痛みや倦怠感などを緩和する適切なケアを行います。併せて、体位の工夫やマッサージなどの身体的ケアや精神的ケアも行います。
最後までその人らしい尊厳のある療養生活を送ることができるようご本人やご家族の思いに沿います。緊急時の対応やご自宅での看取り、ご遺族の精神的な支援も行います。(エンドオブライフケア)
③相談支援と在宅看護
心身の健康状態を観察し、服薬管理や生活リズムの調整、必要なサービス活用をかかりつけ医や訪問介護員などと共に行い、その人らしい生き方ができるように支援します。
居宅介護支援事業所や地域包括支援センターなどと連携することで、ご家族の介護負担も軽減され、住み慣れた地域やご自宅で、より良い家族関係が保たれます。
④療養生活と在宅看護
食事や入浴、口腔ケアなど、療養上の助言や介助を行い、健康状態の維持改善を図るとともに、療養生活のリズムを整えます。
とくに気管切開している方、ストーマ(人工肛門や人工膀胱など)を造設している方、皮膚の潰瘍などがある方には、訪問看護師が安全性とケア方法を確認のうえ、適切に処置します。予防に関する助言や管理などについても助言します。
⑤リハビリテーションと在宅看護
日常生活動作(ADL)の訓練や運動機能の維持回復、呼吸機能や嚥下機能の低下予防、関節拘縮の予防などについて、訪問看護師や理学療法士による専門的な助言や指導を行います。福祉用具の利用相談や導入は福祉用具相談員などと協力して支援します。
⑥在宅移行と看護支援
入院先の医師などと連携しながら退院後の在宅療養の準備・指導を行います。退院に向けて一時的に外泊した場合にも訪問看護を行います。
また、医療機器(人工呼吸器など)を使用している方、末期がんや神経難病(パーキンソン病やALSなど)の方など、退院当日にご自宅でのケアが必要な場合には、看護師がご自宅を訪問して、適切な看護ケアを行うことができます。
皆さまの思いが叶い、持続可能な社会制度を実現させること。
これが私たちの使命であり、訪問看護サービスが目指すものです。